2018年6月18日月曜日

「累積1ミリシーベルトで被爆者健康手帳は交付されるか」の質問に対する行政・自治体からの正式回答



広島県庁に私から確認の問い合わせをして、この件について正式な回答を頂きました


〔私からの問い合わせ〕

被爆者健康手帳が交付される場合、広島県のホームページでも公開されている申請交付要件には記載されてないようですが、こんな噂があります。
「長崎・広島では累積被ばく量、1ミリシーベルトで被爆者手帳が交付される」という話を聞いているのですが、これは本当でしょうか。累積で1ミリシーベルトの被ばくなら被爆者手帳が貰えるのでしょうか。このような事実はありますか。
広島県としての回答を、ご教示下さいますよう、どうぞよろしくお願い致します。


〔広島県からの正式回答〕

ご照会のありました,被爆者健康手帳の交付条件ですが、
手帳交付の要件に、
「累積で1ミリシーベルトの被ばく」という要件はありません。
よって、「累積で1ミリシーベルトの被ばく」をもって、手帳を交付することはありません。
よろしくお願いします。

【広島県被爆者支援課】





被爆者団体、日本被団協にも確認してみましたが同様のお答えを頂いています。



もちろん仰る通り、被爆者手帳に線量規定などなく、間違った認識が拡がることは本当に困ります」 

【日本被団協】





また、上記に加え、同様の質問についての長崎県長崎市

さらに隣の岡山県山口県、それぞれの回答を以下に掲載します




〔長崎県からの正式回答〕

お問い合わせいただいた被爆者健康手帳については、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」(以下、被爆者援護法)第1条第1項の1号から4号に該当する方に交付されます。
被爆者援護法の概要はホームページに紹介しておりますが、
被爆者援護法には「広島・長崎では累積被ばく量、1ミリシーベルトで被爆者手帳が交付される」という規定はございませんので、当然、被爆者援護法の被爆者として認定されることはございません。

今後とも被爆者援護法の規定をホームページなどで広く皆様にお知らせし、被爆者援護法の適正な運用を図ってまいります。





〔長崎市からの正式回答〕

被爆した放射線量を被爆者健康手帳の交付要件とする法の規定はございませんし、
交付した事実もございません。



長崎市回答時の添付資料





〔岡山県からの正式回答〕

被爆者健康手帳の交付要件については、
「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年12月16日法律第117号)」
で定められております。
この法律の前段には、国の責任においてということが明記されており、
原爆施策については、国の指針に基づき、
各県及び広島市、長崎市において実施しているところです。

手帳の交付要件につきましても、この法律に則り、
法律に定めのある要件に該当することが証明できるものについて認定を行っております。
この要件の具体的な区域については、
「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令(平成7年2月17日政令第26号)」
に規定があるとおりです。
岡山県においては、他の他府県両市と同様に、
国の定めた認定基準に沿って認定をおこなっているところです。

なお、お問い合わせの文中に、1ミリシーベルトという標記がございますが、
上記の法律に、手帳の認定において、1ミリシーベルトという要件記載はありません。






〔山口県からの正式回答〕

被爆者健康手帳の交付については、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、都道府県が審査し、交付することとなっています。

審査に当たっては、申請者について被爆の事実等を確認していますが、被ばく量について確認するようなことはありません。

したがいまして、
「累積、1ミリシーベルトの被ばくで被爆者手帳が貰えて国の手当てがなされる」 
といった事実はありません。





新潟市にも質問してみました。すぐ対応して下さり御回答を頂きました。

〔新潟市からの回答〕

回答させていただきます。

ご質問の交付条件については、添付資料をご確認ください。

また,被爆者手帳の交付と被ばく量については、現時点では、国から示されているものや情報はありません。




回答は以上です。

1ミリシーベルトで被爆者手帳を発行するといった事実はありません



続いて、「被爆者健康手帳の審査および発行に関して被曝線量の数値は関係があるか」に関しての各回答は以下の通りです。



広島県の回答

お問い合わせいただきました、被爆者健康手帳の交付要件について

〇広島被爆に係る被爆者健康手帳の交付要件は次の4つで、これ以外の要件はありません。
従って、推定被爆量の数値は、交付要件になっておりません






広島市の回答

ご質問いただきました「被爆者健康手帳の交付要件に関する問い合わせ」の件につきまして、御説明させていただきます。

現在、原子爆弾被爆者に対しては原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「被爆者援護法という」)により、被爆者に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策が実施されており、被爆者健康手帳の交付要件については、被爆者援護法及び被爆者援護法施行令に次のように定められています。




各都道府県、広島市、長崎市では、法律等で定められた交付要件に則って手帳交付の審査を行っており、被爆距離と被爆線量の関係などの科学的知見を踏まえた審査は行っていません



長崎県の回答

お問い合わせいただいた「被爆者健康手帳交付」について回答いたします。

被爆者健康手帳は「原子爆弾に対する援護に関する法律」第2条第3項の規定により、同法第1条各号のいずれかに該当する方に対して交付することとなっており、
放射線の被爆量によって被爆者として認定されることはございません
今後とも同法の適切な運用を図り、被爆者の方々に対する援護を実施してまいります。




長崎市の回答

被爆線量に関する記載はありません。(以下、全文)




岡山県の回答

お問い合わせいただいた標記の件について回答いたします。

被爆者健康手帳の認定については、
「原子爆弾に対する援護に関する法律(平成6年12月16日法律第117号)」第1条に定められており、
これらの各号に該当する認定の区域、期間は、
「原子爆弾に対する援護に関する法律施行令(平成7年2月17日政令第26号)」第1条の規定のとおりです。
これらの規定にシーベルト等の線量についての記載はございません

原爆施策においては、当該法律の前段に国の責任が明記されており、
国の指針に基づき各県及び広島・長崎両市において実施しております。
上記の法律等にシーベルト等の記載はないため、
手帳取得の申請がある場合は、被爆のシーベルトを審査するのではなく、
上記の規定における認定基準に該当するかについて審査しているところです。

宜しくお願い致します。

岡山県保健福祉課 援護班








山口県の回答

お問い合わせいただきました、被爆者健康手帳の交付要件につきまして、下記の通りお答えします。
被爆者健康手帳の交付については、□原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、都道府県において審査し、交付しております。
審査に当たり、同法に定められた交付要件に該当するかの事実確認をしております。
推定被ばく量については交付要件となっておりませんので、審査の過程で確認することはありません

山口県健康福祉部
医務保険課医療指導班