2015年1月10日土曜日

被爆体験者:問題解決を 訴訟原告団など、学習会や座り込み /長崎




毎日新聞 2015年01月10日 地方版

長崎原爆の被爆体験者が長崎市などに被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の原告団が9日、長崎市内で問題解決に向けた学習会を開き、約70人が参加した。一方、反核を訴える座り込みでも被爆体験者を巡る発言が相次ぎ、参加者は被爆70年の今年中の問題解決を誓った。
被爆体験者は、長崎の爆心地から12キロ以内で原爆に遭いながら国が指定した被爆地域外にいたため被爆者と認められない人たち。被爆者健康手帳を求めて2007年から順次提訴し、第1陣訴訟が福岡高裁、2陣訴訟が長崎地裁で争われている。原告数は計約550人。
「原爆投下後、灰をかぶった野菜を食べ、汚染された水を飲んだ」などと主張する原告が、原爆放射線の影響を受けた可能性があるかが争点。学習会で原告弁護団の龍田紘一朗弁護団長は「原子雲が放射性物質を皆さんの生活環境に運んだのは明確な事実。これを裁判官たちに分からせないといけない」と指摘した。
一方、長崎市の平和公園では県平和運動センターなどが主催する396回目の「反核9の日 座り込み」があり、約120人が参加。川野浩一・原水禁議長は「被爆70年の今年、何とか被爆体験者の問題を解決しなければならない」と話し、被爆体験者訴訟を支援する平野伸人さんは「訴訟は絶対に負けられない局面にきている」と語った。
【樋口岳大】