2015年6月13日土曜日

被爆体験者:「今年こそ解決を」国会議員に直訴 苦しみ切々と /長崎





毎日新聞 2015年06月13日 地方版

11、12日に東京・永田町を訪問し、被爆者と認められない苦しみを国会議員に訴えた長崎の被爆体験者たち。被爆者健康手帳を求めて2007年から計560人が長崎地裁に提訴した集団訴訟は長期化し、これまでに57人が死亡。問題解決に向けた長崎市と県の動きは鈍く、被爆体験者たちは「被爆から70年を迎える今年こそ、政治解決を」と国会議員に直訴した。

「爆心地から南側は12キロを越えても被爆地域なのに、東側は7・5キロでも被爆地域ではない。あまりにも不合理ではないか」。
永田町の衆院第1議員会館。「全国被爆体験者協議会」の岩永千代子事務局長(79)は、被爆地域などを色分けした地図を広げて語気を強めた。
被爆70年の国会決議を超党派で目指す自民党議連の代表世話人を務める寺田稔衆院議員(広島5区)は「どう考えても不平等だ」と応じた。寺田氏は、各党の思惑の違いがあり、国会決議が実現するかは不透明としたうえで、「(決議に被爆地域拡大の文言を)入れることができればいい」と語った。
国は「被爆地域拡大には科学的、合理的な根拠が必要」との立場だ。被爆体験者の制度が02年に始まって以降、長崎市と県は被爆地域拡大を公式に国に要望していない。被爆体験者の訴えに対し、積極的に動かない長崎市や県への不信が今回の上京につながった。
被爆体験者たちは2日間で、議連メンバーの他、議員会館にある地元選出国会議員や各党幹部らの部屋を訪問した。民主の高木義明衆院議員は「(現行の被爆地域が)合理的だという者は誰もおらず、政治決着しかない。なぜかこの問題に関し、県や長崎市が消極的だ」と指摘。社民党副党首の福島瑞穂参院議員は「所属する参院厚生労働委で質問したい」と語った。
【樋口岳大】
〔長崎版〕



被爆体験者:自民議連に「被爆地域拡大」要請


毎日新聞 2015年06月13日 西部朝刊

長崎の爆心地から12キロ以内の被爆地域外で原爆に遭った「被爆体験者」の団体役員が11、12日上京し、自民党の議員連盟が模索する「被爆70年国会決議」に長崎の「被爆地域拡大」を盛り込むよう議連メンバーに求めた。
岩永千代子・全国被爆体験者協議会事務局長(79)が、「原子爆弾被爆者救済を進める議員連盟」の代表世話人を務める寺田稔衆院議員(広島5区)に「私たちは被爆者だという真実を分かってほしい」と要請した。