2015年8月7日金曜日

「黒い雨」秋にも提訴へ




「黒い雨」秋にも提訴へ


2015年8月4日 NHK広島



原爆投下直後に降った放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」をめぐり、住民グループが支援の対象となる地域の拡大を求めて、今年秋にも広島県や広島市に対して裁判を起こす見通しになりました。

裁判への参加者は当初より大きく増えて、およそ70人となる見込みです。

原爆投下直後に降ったいわゆる黒い雨をめぐっては、健康診断を無料で受けられるなど、国の支援の対象となる地域が爆心地から北西部に広がる南北19キロの範囲に限られています。

このため、対象地域の外で黒い雨を浴びたとする広島市佐伯区や安芸太田町などの住民で作るグループの人たちは、支援となる地域の拡大を求めて、県や市に対し、今年秋にも裁判を起こすことにしています。

当初、裁判に参加しようという人は40人あまりでしたが、その後、参加を求める人が相次ぎ、これまでにおよそ70人が裁判に向けて被爆者健康手帳の申請手続きを行ったということです。

これについて「広島県『黒い雨』原爆被害者の会連絡協議会」の牧野一見事務局長は
「会員がみな高齢化し、最後の手段として裁判に参加しようという人が多い。長年主張してきたことを認めてほしい」と話しています。