2015年7月9日木曜日

長崎被爆体験者訴訟不当判決に対する抗議文「25mSv 被曝しても健康影響なし」は容認できない







小宮山洋子 厚生労働大臣殿




2012 年 7 月 11 日

全国保険医団体連合会

会長  住江 憲勇




長崎被爆体験者訴訟不当判決に対する抗議文 

―「25mSv 被曝しても健康影響なし」は容認できない―


http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/120711nagasaki-hibaku.pdf






国が指定した被爆地域以外で被爆した被爆体験者 395 人が、国や県などを相手に自分たちを被爆者と認めるよう求めた訴訟に対し、6 月 25 日、長崎地裁は その請求を全て退けた。

1991 年の「長崎原爆残留放射能プルトニウム調査報告書」(岡島報告書)では爆心地から 10Km 離れた被爆未指定地域で最大 3.7Bq/Kg 乾土の原爆由来プ ルトニウム 239 及び 240 が検出され、住民の生涯最大被曝線量は 25mSv と推定された。

この大半は原爆投下後1年間に被曝したものである。

 1993 年、厚生省は岡島報告書に対する検討班を設け、「この被曝線量による健康影響は実際的には無視できるほど小さく、指定拡大要望地域においては長崎原爆の放射性沈下物の残留放射能による健康影響はない」と結論づけた。

 しかし、年間25mSvは全村避難を強いられた飯舘村の年間被曝線量に匹敵し、 福島第一原発事故で国が居住制限の目安としている年20mSvを上回る数値である。これを「健康影響なし」とすることは、決して国民の理解の得られるものではなく、断じて容認できない。

 さらに判決は、原告の切々たる訴えを「被爆者健康手帳の交付を受けられるかもしれないという意識を有している可能性が少なからず存在することに鑑みれば、供述の全てをそのまま採用することはできない」と切り捨てたうえで、「住民自らが『放射能の影響を受けるような事情の下にあった事』について、高度の蓋然性を証明することが必要である」という高すぎるハードルを課した。

 住民の声に耳を傾けることなく、ひたすら安全宣言を繰り返してきたことが 福島第一原発事故による放射線被害に対する国民の不安を払拭できない最大の 原因ではなかろうか。 当会は「25mSv 被曝しても健康影響なし」との見解の撤回とともに、長崎のみならず広島も含めた被爆指定地域の早急な見直しを求めるものである。


以上








「被爆体験者」訴訟の判決に対する見解

平成24年6月26日

長崎県保険医協会

会長 千々岩 秀夫


http://www.vidro.gr.jp/katsudo/post-350.html