2015年7月14日火曜日

〔被爆体験者訴訟〕:国側証人尋問で原告立証を否定



被爆体験者訴訟:国側証人尋問で原告立証を否定




長崎NCC、テレビニュース
2015年6月23日放送



国に被爆地域の拡大を求める被爆体験者訴訟(第2陣、長崎地裁)は22日、原告側の立証を真っ向から否定する国側の証人尋問が行われました。





この裁判は長崎原爆の縦長の被爆地域の半径12km圏内の被爆地域外に住む「被爆体験者」555人が国などを相手取り被爆者と同じ援護を求めているものです。



3年前(2012年6月)、1陣が長崎地裁で敗訴し福岡高裁で控訴審が続いています。




長崎地裁で開かれた第2陣の証人尋問は国側の主張を立証する鈴木 元教授が証言台に立ちました。




これに先立ち原告側も4月、原爆投下の2ヵ月後にアメリカのマンハッタン調査団が測定した県内全域の残留放射線の値を解析し、その影響を肯定する本田孝也医師の証人尋問を行っています。




22日の尋問で鈴木 元教授は「本田医師が用いたセシウム汚染密度の計算式は不適切で健康被害を過大評価している」などと答え、国側は原告側の立証の切り崩しを図りました。




また原告の多くが「原爆投下のあと脱毛があった」と答えた聞き取り調査についても記憶違いや「脱毛があった」と報告したい心理が働いた可能性もあり信憑性に欠けると指摘しました。



これについて原告側は「原爆被害と向き合わず被爆地域拡大を否定するための論理をつくっている」と憤っています。



2陣の原告、160人のうち7人が亡くなっていて原告側は訴訟の早期解決を望んでいます。



本田医師と鈴木教授の証人尋問の内容は(第1陣、福岡)控訴審にも採用されます。