被爆体験者訴訟:「全原告、被害の可能性」
県保険医協会長・本田医師、米軍測定データ基に証言 /長崎
毎日新聞 2015年04月14日 地方版
長崎原爆の被爆体験者が県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた第2陣訴訟の口頭弁論が13日、長崎地裁(松葉佐隆之裁判長)で開かれ、原告側意見書を作成した県保険医協会会長の本田孝也医師への証人尋問があった。本田医師は、原爆投下から間もない時期に米軍が測定した放射線データを基に「すべての原告が、原爆の残留放射線で健康被害を受ける可能性がある事情の下にあった」と改めて主張した。
本田医師は、1945年9〜10月の米軍マンハッタン管区原爆調査団の測定データを基に、爆心地から約7〜12キロで原爆に遭った原告が自然放射線より高い放射線を受けたとする推計結果を説明。原告が放射性物質に汚染された水を飲み、野菜を食べていたとも指摘し、被ばくによる健康被害を受けた可能性を強調した。
【樋口岳大】
〔長崎版〕
2015年04月14日
2015年04月14日
被爆体験者訴訟で証人尋問
NCC長崎文化放送テレビニュース
被爆者の認定を求める被爆体験者訴訟の第2陣で原告が居住する「被爆未指定地域」にも残留放射線の影響があったとする証拠を提出した医師が証言台に立ちました。
県保険医協会長の本田孝也医師(59)。長崎に原爆が投下された約2カ月後、アメリカ軍の「マンハッタン調査団」が測定した県内全域の残留放射線の値を解析し原告側の証拠として裁判に提出しました。
証人尋問で本田医師はこのデータを基に被爆未指定地域に住む原告にも残留放射線の影響があったと述べました。訴訟をめぐっては原告の第1陣が3年前、1審で敗訴し、現在控訴審が続いています。